先日、Ubuntu 20.10 日本語 Remixをリリースしました。
今回から、Ubuntu日本語Remixの作成方法が変わっています。
11.10から20.04 LTSまでは、以下の記事で紹介している「ubuntu-defaults-builder」を使っていました。
ただ、このツール、数年前から手を入れないと動作しなくなっていました。
さらに、今回、20.10で試したところ見たことが無いエラーが出てしまいました。20.04 LTSまでは、レガシーBIOSからの起動にISOLINUXを使い、UEFIからの起動にGRUB2を使うという構成だったのが、20.10からはいずれもGURB2から起動する形に変更されたので、そのあたりが影響しているのかもしれません。
いずれにしても、これ以上「ubuntu-defaults-builder」を使い続けるのは難しいと思われたので、「公式ISOの上の圧縮ファイルシステムを差し替える」という、2011年以前の方法に戻すことにしました。
どうせなら、スクリプトを実行するだけで誰でも作れるようにしておきたいと考え、フィンランド語Remixやエストニア語Remixを参考にスクリプトを作成しました。解説などはまだ書いていませんが、GitHubにアップロードしてあります。
実行方法は、「ja-remix-groovy.sh」と「ubuntu-20.10-desktop-amd64.iso」を同じディレクトリに置き、「sudo bash ja-remix-groovy.sh」を実行するだけです。
スクリプトをカスタマイズすれば、任意のパッケージを追加したり、レポジトリを追加したり、キーボードレイアウトを変えたりできると思います。
今回手を焼いたのは、日本語キーボードの設定まわりです。日本語でライブセッションに入ると、一般的な日本語以外のキーボードレイアウト(Dvorakなど)も登録されてしまうという問題があります。どうも、他の言語でも余計なキーボードレイアウトが登録されてしまうという問題が出ているようです。これは、「ubuntu-ja-live-fix」という名前でパッケージを作成し、ログオンスクリプトで修正することで回避しました。なお、「ubuntu-ja-live-fix」はインストール時に削除されるので、インストール後の環境には残りません。
さらに、インストール後の最初のログイン時のみ、日本語キーボードのレイアウト設定が正しく行われないことがある、という問題も発生しました。日本語Remixでは、デフォルトのキーボードレイアウトを「ibus-mozc」にしてあるのですが、正常に「ibus-mozc」が選択されることがあるものの、日本語入力に切り替えができない「ja」レイアウトになったり、「ibus-mozc」が選択されているのにキーボードレイアウトは「en」になったりすることがありました。
これは、VirtualBoxで動作確認している時によく発生したので、ストレージなどの速度に影響を受けて発生したりしなかったりするのかもしれません。根本的な原因を探りましたが分からなかったので、こちらはGNOMEへのログイン時に修正スクリプトを自動実行する方法で回避してあります。
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